ペアローンとは?メリット・デメリットから後悔しない組み方まで徹底解説

2026.1.23.

  • 注文住宅
「ペアローンは危険」「離婚したら大変」というネットの声に不安を感じていませんか?

結論から言えば、ペアローンは共働き世帯にとって非常に有力な選択肢です。借入可能額を大幅に増やせるだけでなく、住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられ、団信(団体信用生命保険)にも両者が加入できます。これらのメリットは、単独ローンや収入合算では得られないものです。

もちろん、諸費用が2本分かかる、離婚時に複雑になるといったデメリットも存在します。しかし、これらのリスクは「正しい知識」と「適切な物件選び」で大幅に軽減できます。

本記事では、2026年最新の税制・金利動向を踏まえ、ペアローンの仕組みからメリット・デメリット、後悔しない組み方まで徹底解説します。これからペアローンを検討する方が、自信を持って判断できる情報をお届けします。

OPEN

ペアローンは、1つの物件を購入する際に、夫婦や親子がそれぞれ個別のローン契約を結ぶ方法です。契約本数が2本となることから、単独ローンや収入合算とは異なる性質があります。まずは基本的な仕組みと、利用できる条件を正しく理解しましょう。

ペアローンとは、夫婦がそれぞれ主債務者となり、1つの物件に対して2本の住宅ローンを組む方法です。各自が自分名義で借入を行い、互いに連帯保証人となります。
 ・契約本数:2本(夫・妻それぞれが1本ずつ契約)
・債務関係:各自が主債務者であり、配偶者の連帯保証人を兼ねる
・所有権:各自の借入額に応じた持分で共有

【図解イメージ】ペアローンの仕組み(例:物件価格5,000万円)

夫のローン 妻のローン
借入額:3,000万円 借入額:2,000万円
持分:60% 持分:40%
夫が主債務者 妻が主債務者
妻が連帯保証人 夫が連帯保証人
※互いが連帯保証人となるため、一方が返済不能になった場合は他方に返済義務が生じます
 

ペアローンは共働き夫婦だけでなく、親子や婚約者同士でも利用できます。ただし、契約者それぞれが金融機関の審査基準を満たす必要があります。
【対象者】
夫婦(法律婚)、親子、婚約者(入籍予定があること)、同性パートナー(一部金融機関)
【主な利用条件】
・両者に安定した継続収入があること(勤続年数・年収の審査あり)
・購入物件に両者が同居予定であること
・両者がそれぞれ団信に加入できる健康状態であること
※転職直後、育休中・育休予定の方は審査が厳しくなる場合があります。

住宅ローンで2人の収入を活用する方法は3種類あります。「ペアローン」「収入合算(連帯債務型)」「収入合算(連帯保証型)」です。それぞれ契約の仕組みや税制メリットが異なるため、自分たちに最適な方法を選ぶことが重要です。

以下の表で、3つの借入方法の違いを一目で確認できます。特に「住宅ローン控除」「団信」「離婚時の扱い」は選択の決め手となる重要ポイントです。

比較項目 ペアローン 連帯債務型 連帯保証型
契約本数 2本 1本 1本
債務者 2人とも主債務者 主債務者+連帯債務者 主債務者のみ
住宅ローン控除 両者適用可 両者適用可 主債務者のみ
団信(生命保険) 両者加入可 原則主債務者のみ 主債務者のみ
諸費用 2人分(高い) 1人分 1人分
金利タイプ 別々に設定可 1本で統一 1本で統一
離婚時 売却・名義変更が複雑 売却・名義変更が複雑 比較的シンプル
 

どの借入方法を選ぶべきかは、夫婦の収入バランスやライフプランによって異なります。以下の判断軸を参考にしてください。
【ペアローンがおすすめの人】
・夫婦ともに安定した収入があり、長期的に働き続ける予定
・住宅ローン控除を夫婦それぞれで最大限活用したい
・万が一に備えて団信を両者で確保したい
・単独の借入可能額では希望物件に手が届かない

【連帯債務型(フラット35)がおすすめの人】
・諸費用を抑えつつ、控除は両者で活用したい
・全期間固定金利で返済額を確定させたい

【連帯保証型がおすすめの人】
・片方の収入が補助的(パート・時短勤務など)
・シンプルな契約形態を好む
・将来的に片方が専業主婦(主夫)になる可能性がある

ペアローンには、共働き世帯だからこそ享受できる大きなメリットがあります。借入可能額の拡大、税制優遇の最大化、保障の充実など、単独ローンや収入合算にはない強みを詳しく解説します。

ペアローン最大のメリットは、世帯年収をフル活用して借入可能額を大幅に拡大できることです。都市部の住宅価格が高騰する中、「妥協しない家づくり」を実現する手段として非常に有効です。
たとえば、夫の年収500万円(借入可能額約3,500万円)、妻の年収400万円(借入可能額約2,800万円)の場合、ペアローンを組めば合計で約6,300万円まで借入可能になります。単独では手が届かなかった物件も、選択肢に入ってきます。
ただし、借りられる額=返せる額ではありません。後述するリスク対策を踏まえ、無理のない返済計画を立てることが重要です。
 
シミュレーションの例

借入パターン 年収 借入可能額(目安)
夫・単独 500万円 約3,500万円
妻・単独 400万円 約2,800万円
ペアローン合計 900万円 約6,300万円
※借入可能額は金融機関・金利・返済期間により異なります。

ペアローンでは、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられます。控除枠をダブルで活用できるため、単独ローンよりも節税効果が大きくなるケースがあります。

【2026年の住宅ローン控除制度】
・控除率:年末残高の0.7%
・控除期間:最大13年間
・借入限度額:子育て世帯は最大5,000万円(新築・認定住宅の場合)

控除額シミュレーション(借入5,000万円・認定住宅の場合)
・夫3,000万円 × 0.7% × 13年 = 最大273万円
・妻2,000万円 × 0.7% × 13年 = 最大182万円
・夫婦合計:最大455万円の控除
単独ローンでは一方しか控除を受けられないため、この差は非常に大きいです。特に借入額が大きい場合、ペアローンの税制メリットは見逃せません。

ペアローンでは、夫婦それぞれが団体信用生命保険(団信)に加入できます。万が一どちらかが死亡・高度障害になった場合、その人のローン残債は団信で完済されます。
連帯債務型や連帯保証型では、原則として主債務者しか団信に加入できません。そのため、連帯債務者や連帯保証人に万が一があっても、ローンはそのまま残ります。ペアローンなら、どちらに何があっても「その人の分のローン」は確実に消滅するため、遺された家族の負担を軽減できます。
さらに、「夫婦連生団信」に加入すれば、どちらかに万が一があった場合に夫婦両方のローン残債が全額消滅します(詳細は後述のリスク対策で解説)。

ペアローンは2本の独立した契約のため、金利タイプや返済期間を夫婦で別々に設定できます。これにより、金利上昇リスクの分散や、ライフプランに合わせた柔軟な返済設計が可能です。
【組み合わせ例】
・夫:変動金利(0.6〜0.7%台)で低金利メリットを享受
・妻:10年固定金利(2.5%台〜)で金利上昇リスクをヘッジ
金利上昇局面でも、一方を固定にしておくことでリスクを分散できるのはペアローンならではの強みです。

ペアローンでは、借入額(返済負担額)に応じて物件の所有権持分を設定できます。たとえば借入総額5,000万円のうち夫が3,000万円、妻が2,000万円を負担する場合、所有権は夫60%・妻40%となります。
将来の売却時には売却代金も持分に応じて分配され、相続時には各自の持分が相続財産となります。権利関係が明確なため、トラブルを防ぎやすい仕組みです。

ペアローンにはメリットだけでなく、見過ごせないデメリット・リスクも存在します。しかし、多くのリスクは事前の対策で軽減可能です。このセクションでは「問題点」と「具体的な対策」をセットで解説します。

ペアローンは契約が2本になるため、事務手数料・印紙代・登記費用などの諸費用が2倍かかります。借入額5,000万円の場合、単独ローンと比べて100万円以上の差が出ることもあります。
【対策】控除メリットとの損益計算
諸費用の増加分は、住宅ローン控除のダブル適用で回収できる場合があります。ただし、回収可否は各人の所得税・住民税額(控除余地)や借入額・手数料体系により異なるため、回収しきれないケースもあります。事前にシミュレーションで損益を確認しましょう。

ペアローンは「2人の収入があること」を前提に設計されます。育休・転職・病気などで片方の収入が減少すると、返済が急激に苦しくなるリスクがあります。
【対策】返済負担率は世帯年収の25%以内に
金融機関の審査上は35%程度まで借入可能ですが、安全圏は25%以内です。世帯年収900万円なら、年間返済額225万円(月約18.7万円)が目安。片方の収入だけでも最低限の返済ができる水準に設定しましょう。さらに、生活防衛資金として生活費6ヶ月〜1年分を手元に確保しておくと安心です。

ペアローンの団信は「自分の分のローン」のみをカバーします。配偶者が亡くなっても、自分のローンは残るため注意が必要です。たとえば夫3,000万円・妻2,000万円で組んでいて夫が死亡した場合、夫のローンは団信で完済されますが、妻のローン2,000万円はそのまま残ります。
【対策】夫婦連生団信への加入
「夫婦連生団信」は、どちらかに万が一があれば夫婦両方のローン残債が全額消滅するタイプの保険です。保険料は金利に0.1〜0.3%程度上乗せされますが、安心感は格段に高まります。また、別途生命保険で残債をカバーする設計も有効です。

ペアローンで購入した住宅は、離婚時に最も問題になりやすい財産です。共有名義かつ連帯保証関係があるため、一方的な売却や名義変更が困難です。特に「オーバーローン(売却してもローン残債を返しきれない状態)」になっていると、売るに売れない状況に陥ります。
【対策】「資産価値の高い物件」を選ぶことが最大のリスクヘッジ
離婚時に問題が深刻化するのは「売れない(資産価値の低い)家」を買った場合です。資産価値の高い住宅を選べば、売却額がローン残債を上回る(アンダーローン)可能性が高く、スムーズに現金化して清算できます。
【資産価値が維持されやすい物件の特徴】
・駅徒歩10分以内の好立地
・長期優良住宅の認定を受けている
・建物性能(耐震等級、断熱性能)が高い
・街並み・周辺環境が整備されている
「良い家を選ぶこと」こそがペアローン最大のリスクヘッジです。

持分割合と実際の返済負担割合にズレがあると、夫婦間であっても贈与税が発生する可能性があります。たとえば持分50:50なのに実際は夫が80%負担している場合、妻への贈与とみなされます。
【対策】持分割合は借入額と完全に一致させる
借入が夫3,000万円・妻2,000万円(計5,000万円)なら、持分は夫60%・妻40%(借入比率と一致)とします。返済中の負担割合変更は避け、やむを得ない場合は年間110万円の非課税枠内で調整しましょう。

ペアローンでは、夫婦両者がそれぞれ審査を通過する必要があります。どちらか一方でも審査落ちすると、ペアローン自体が組めません。転職直後(勤続年数1年未満)、育休中・育休予定、他の借入(車ローン、カードローン)が多い場合などは審査が厳しくなります。
【対策】事前審査で早めに確認
本格的な物件探しの前に、夫婦それぞれで事前審査を受けておきましょう。審査に不安がある場合は、複数の金融機関に申し込むことも有効です。

2026年の住宅ローン市場は、ペアローン利用者にとって追い風となる環境が整っています。最新の税制改正と金利動向を踏まえ、今ペアローンを選ぶメリットを解説します。

2024年以降の税制改正で、子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇措置が強化されています。子育て世帯は借入限度額5,000万円、控除率0.7%、控除期間13年です。ペアローンで夫婦それぞれ5,000万円ずつ借入すれば、理論上の最大控除額は約910万円になります。子育て世帯がペアローンを活用すれば、控除メリットを最大化できます。

2026年現在、変動金利は0.6〜0.8%台(優遇適用後)で推移しています。2024年の利上げ以降やや上昇していますが、固定金利と比べると依然として低水準です。一方、10年固定金利は2.5〜2.9%台、フラット35は2%を超える水準まで上昇しています。ペアローンなら金利タイプを分散できるため、金利上昇リスクに柔軟に対応できます。

ペアローンは多くの金融機関で取り扱いがありますが、金利・団信オプション・諸費用は金融機関によって異なります。

①金利水準:ネット銀行は金利が低い傾向、メガバンクは店舗でのサポートが充実。
②夫婦連生団信の取扱い:対応金融機関は限られる(りそな銀行、三井住友銀行、一部のネット銀行など)。
③諸費用(事務手数料):定率型と定額型があり、ペアローンは2本分かかるため差が大きくなる。

代表的な金融機関のペアローン対応状況です(2026年1月時点)。金利は審査結果・適用条件により異なります。 

金融機関 変動金利 連生団信 事務手数料
住信SBIネット銀行 0.698%〜 なし 借入額の2.2%
auじぶん銀行 0.679%〜 あり 借入額の2.2%
りそな銀行 0.640%〜 あり 33,000円+2.2%
三井住友銀行 0.625%〜 あり 33,000円
みずほ銀行 0.775%〜 あり 33,000円

住宅会社(ハウスメーカー・工務店)経由で申し込む「提携ローン」では、店頭金利より優遇されるケースがあります。金利優遇、審査手続きのサポート、つなぎ融資の手配などのメリットがあるため、物件検討の早い段階で相談しましょう。

ペアローンは通常の住宅ローンと比べて手続きが複雑です。全体の流れを把握しておきましょう。

夫婦それぞれが金融機関に事前審査を申し込み、借入可能額の目安を確認します。必要書類は本人確認書類、収入証明書など。審査期間は即日〜1週間程度です。

購入物件が決まったら正式な本審査に進みます。物件契約には「ローン特約」を付けておきましょう。

本審査通過後、金融機関と正式な契約を結びます。ペアローンでは契約手続きが2回分必要です。金利タイプ・返済期間は夫婦で別々に設定可能。

物件の引渡し日に融資が実行され、所有権移転登記が行われます。所有権は夫婦の共有名義、抵当権は2本設定されます。

金利が高い方、残高が多い方、退職が早い方を優先するのが基本です。ただし、夫婦間でローンを肩代わりすると贈与税が発生する可能性があるため、繰り上げ返済資金は「自分のローン」に充てましょう。

離婚などでペアローンを単独ローンに一本化したい場合、単独で借り換え審査に通る収入があること、物件の担保評価がローン残債を上回ることなどの条件があります。審査に通らない場合は売却して清算するのが現実的な選択肢です。

A. はい、親子でも組めます。二世帯住宅の建築などでよく利用されます。親の年齢による返済期間制限に注意。

A. 金融機関によります。復帰後の収入見込みを証明できれば通るケースもあります。事前審査で確認しましょう。

A. 単純な名義変更は原則できません。一方が借り換えを行い単独ローンに一本化する必要があります。

A.  多くの金融機関では「勤続1年以上」が審査基準です。転職前にローンを組むか、転職後1年以上経ってから申し込むのがおすすめです。

ペアローンは、共働き世帯が理想の住まいを実現するための強力な選択肢です。
【ペアローンの3大メリット】
借入可能額を大幅に増やせる—— 世帯年収をフル活用し、妥協しない家づくりが可能に
住宅ローン控除を夫婦それぞれで受けられる——控除枠のダブル適用で最大数百万円の節税効果
団信に夫婦それぞれが加入できる—— どちらに万が一があっても、その分のローンは確実に消滅
 一方で、諸費用の増加、収入減リスク、離婚時の複雑さといったデメリットも存在します。しかし、返済負担率を25%以内に抑える、夫婦連生団信に加入する、資産価値の高い物件を選ぶといった対策を講じることで、これらのリスクは大幅に軽減できます。
「良い家を選ぶこと」こそが、ペアローン最大のリスクヘッジです。
駅徒歩10分以内の好立地、長期優良住宅の認定、高い建物性能——こうした資産価値が維持されやすい物件を選べば、万が一の際もスムーズに売却・清算が可能です。ペアローンを正しく理解し、適切な対策を講じれば、共働き世帯にとって最強の選択肢になります。本記事の情報を参考に、後悔のない住宅購入を実現してください。

SUPERVISOR

監修者

ポラテックグループ
page top