土地売却の税金はいくら?3,000万円控除で損しない節税ガイド【売却価格別シミュレーション付き】
2026.5.8.
- 不動産売却
土地売却の税金は売却益の約20〜40%|まず自分のケースを把握する
所有期間で税率が約2倍変わる短期・長期の税率一覧
見落としがちなのは、「購入から5年経てばよい」という単純な話ではない点です。判定基準は売却した年の1月1日時点の所有期間であり、たとえ売却日までに5年を超えていても、その年の元日時点で5年に満たなければ短期扱いとなります。この判定基準を知っているかどうかで、売却タイミングの判断が変わってきます。所有期間の具体的な数え方は、後述の「ステップ③」で詳しく解説します。
| 区分 | 所有期間 | 税率合計 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% | 所得税 30% + 住民税 9% + 復興特別所得税 0.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% | 所得税 15% + 住民税 5% + 復興特別所得税 0.315% |
たとえば譲渡所得が1,000万円の場合、短期では約396万円、長期では約203万円の税負担となり、その差は約193万円にのぼります。売却タイミングを少し調整するだけで、手取り額が大きく変わることを覚えておきましょう。
売却益がゼロ・マイナスなら所得税・住民税はかからない
土地売却でかかる税金・手続きと支払いタイミング
税金の種類と支払いタイミング一覧(契約時・引き渡し時・確定申告時)
| タイミング | 税金の種類 | 概要 |
|---|---|---|
| 売買契約時 | 印紙税 | 売買契約書に収入印紙を貼付して納付。2027年3月末まで軽減税率が適用 |
| 引き渡し時 | 登録免許税 | 抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1個につき1,000円のため、土地・建物で合計2,000円が目安(状況により追加登記が必要な場合あり) |
| 翌年確定申告時 | 譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税) | 売却した翌年2〜3月に確定申告。所得税を一括納付。住民税は翌年6月以降に通知が届く |
【売却前の注意】2026年4月施行・住所等変更登記の義務化
売却を進める前に、登記簿上の住所・氏名が現在のものと一致しているかを確認しておきましょう。2026年4月より住所等変更登記が義務化されており、不一致のまま売却を進めると所有権移転ができず手続きが滞るリスクがあります。詳細は関連記事「
土地売却の税金【計算方法】3ステップ
ステップ①|計算式の確認と「取得費・譲渡費用」に含まれるものを整理する
課税譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
税額 = 課税譲渡所得 × 税率
| 項目 | 含まれるもの | 含まれないもの |
|---|---|---|
| 取得費 | 購入代金・購入時の仲介手数料・測量費・設備費・不動産取得税・建物の減価償却後金額 | 購入後の固定資産税・管理費・維持修繕費 ※資本的支出に該当する増改築・改良費は算入できる場合があります |
| 譲渡費用 | 売却時の仲介手数料(消費税込み全額)・解体費用・確定測量費・売買契約書の印紙税 | 引越し費用・売却後の修繕費 |
ステップ②|取得費を確認する(不明な場合は概算取得費5%を使う)
ステップ③|所有期間の数え方を確認して税率を判定する
所有期間のカウントは「購入日から売却日まで何年か」ではありません。正確には「売却した年の1月1日時点で5年を超えているか」で判定します。この違いを知らないまま売却すると、短期・長期の分かれ目で誤った税率を想定してしまうことがあります。
たとえば、2020年6月に取得した土地を2025年8月に売却した場合、売却年の1月1日(2025年1月1日)時点での所有期間は約4年7か月です。この場合は短期譲渡所得(税率39.63%)が適用されます。一方、売却を2026年1月以降に先送りするだけで長期譲渡所得(税率20.315%)の対象となり、同じ利益でも税負担が約半分になります。
【計算例】売却価格:2,000万円 / 取得費:1,200万円 / 譲渡費用:100万円 / 課税譲渡所得:700万円(所有7年・長期) / 税額:約142万円(700万円×20.315%)
なお、3,000万円特別控除を適用できる場合、課税譲渡所得がゼロとなり税額もゼロになります。詳細は後述の「手取りを大幅に増やす!土地売却の税金を減らす特例・控除の全知識」で解説します。
【シミュレーション】土地売却の税金、いくらかかる?
売却価格別の税額早見表(長期譲渡・概算取得費5%ベース)
| 売却価格 | 課税譲渡所得 | 短期税額(39.63%) | 長期税額(20.315%) |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 455万円 | 約180万円 | 約92万円 |
| 1,000万円 | 910万円 | 約360万円 | 約185万円 |
| 2,000万円 | 1,820万円 | 約721万円 | 約370万円 |
| 3,000万円 | 2,730万円 | 約1,081万円 | 約555万円 |
| 5,000万円 | 4,550万円 | 約1,802万円 | 約924万円 |
シミュレーション①|取得費が判明している場合・不明な場合の比較(長期・1,500万円売却)
| 条件 | 取得費 | 課税譲渡所得 | 税額(長期 20.315%) | 手取り額 |
|---|---|---|---|---|
| 取得費が判明(900万円) | 900万円 | 540万円 | 約110万円 | 約1,330万円 |
| 取得費が不明(概算5%) | 75万円 | 1,365万円 | 約277万円 | 約1,163万円 |
取得費が判明している場合と不明な場合では、税額に約167万円の差が生じます。当時の売買契約書や通帳履歴など、取得費を証明できる書類を探す手間をかける価値は十分にあります。
シミュレーション②|短期・長期それぞれで売却した場合の税額比較(1,000万円売却)
| 条件 | 税率 | 課税譲渡所得 | 税額 | 手取り額 |
|---|---|---|---|---|
| 短期(5年以下) | 39.63% | 560万円 | 約222万円 | 約738万円 |
| 長期(5年超) | 20.315% | 560万円 | 約114万円 | 約846万円 |
短期と長期の差額は約108万円です。「あと数か月待てば税率が約半分になる」という状況であれば、売却タイミングの見直しを検討する価値があります。
シミュレーション③|マイホーム跡地を3,000万円で売却した場合(3,000万円控除適用)
| 条件 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 取得費 | 1,500万円 |
| 譲渡費用 | 120万円(売却価格の4%) |
| 課税譲渡所得(控除前) | 1,380万円 |
| 3,000万円特別控除 | △1,380万円 |
| 課税譲渡所得(控除後) | 0円 |
| 税額 | 0円 |
控除額(最高3,000万円)が課税譲渡所得を上回るため、税額がゼロになります。ただし、適用には一定の要件を満たす必要があります。詳細は次章「手取りを大幅に増やす!土地売却の税金を減らす特例・控除の全知識」で解説します。
手取りを大幅に増やす!土地売却の税金を減らす特例・控除の全知識
| 共通ルール | 内容 |
|---|---|
| 確定申告が必須 | 税額がゼロになる場合でも申告しなければ特例は適用されません |
| 適用期限のある特例に注意 | 特例ごとに適用期限が設けられているため、事前に確認が必要です。相続関連の特例については別記事をご参照ください |
| 一部の特例は組み合わせ不可 | マイホーム売却における3,000万円特別控除と10年超所有の軽減税率の特例は併用可。それ以外の組み合わせは各要件をご確認ください |
①マイホームの3,000万円特別控除(居住用財産の特別控除)
居住用財産の売却益から最高3,000万円を差し引けるため、利益がそれ以下であれば税額がゼロになります。所有期間を問わず使える点が大きな特徴です。建物を解体して土地のみを売る場合も、「解体から1年以内の売買契約」「住まなくなった日から3年目の年末までの売却」という要件を満たせば対象となります。ただし、解体後に駐車場などとして貸し付けた場合は適用外となるため注意が必要です。
夫婦共有名義の場合、それぞれが要件を満たせば各自が控除を使えるため、最大6,000万円の控除となります。住宅ローン控除との同年併用は原則認められていないため、該当する場合は事前に税理士へご相談ください。
②所有10年超ならさらに有利な軽減税率の特例
所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、3,000万円控除を適用した後の利益に対して軽減税率が適用されます。通常の長期譲渡税率(20.315%)と比較すると、6,000万円以下の部分に対して14.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%+住民税4%)まで引き下げられます。
3,000万円特別控除との併用が可能なため、10年超保有の自宅売却では最大の節税効果が得られます。たとえば課税譲渡所得が3,000万円を超える高額売却のケースでも、控除後の残額に対して軽減税率が適用されるため、税負担を大幅に抑えられます。
③相続した土地は特有ルールあり
④その他の主な特別控除(一覧表)
| 特別控除の種類 | 控除限度額 | 主な適用ケース |
|---|---|---|
| 公共事業等のための売却 | 5,000万円 | 国や地方公共団体等に土地を売却した場合 |
| 特定土地区画整理事業 | 2,000万円 | 土地区画整理事業のために売却した場合 |
| 低未利用土地の売却 | 100万円 | 都市計画区域内の低未利用土地を一定要件のもとで売却した場合 |
| 平成21〜22年取得土地の売却 | 1,000万円 | 2009〜2010年に取得した土地を売却した場合 |
【2026年最新】売却時に押さえておきたい法改正・期限付き優遇措置
【賃貸・相続関連】貸付用不動産の相続税評価方法の見直し(令和9年1月適用予定)
マイホーム売却がメインの方には直接関係しませんが、賃貸アパート等を所有している方や相続で不動産を引き継いだ方は注意が必要です。令和8年度税制改正の大綱により、被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引により取得または新築した一定の貸付用不動産については、従来の相続税評価額ではなく、課税時期における通常の取引価額に相当する金額で評価する見直しが予定されています。なお、課税上の弊害がない場合は、取得価額に地価変動等を反映した金額の80%相当額で評価できる取扱いも盛り込まれています(令和9年1月1日以後の相続等から適用予定)。今後の法令化により内容が変わる可能性があります。
節税目的での直前の不動産購入が厳格化されており、相続対策として不動産を活用してきた方は、既存の計画を見直す必要が生じるケースがあります。相続を見据えた土地・不動産の活用を検討している場合は、早めに税理士へ相談することをおすすめします。
印紙税の軽減税率は2027年3月末まで|期限前に契約すべき理由
| 売却価格 | 本則税率 | 軽減税率(〜2027年3月31日) | 軽減額 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 6万円 | 3万円 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 10万円 | 6万円 | 4万円 |
確定申告の流れ|土地売却後にやること
確定申告が必要な人・不要な人
| 状況 | 申告の要否 |
|---|---|
| 売却で利益が出た | 必要 |
| 税額がゼロでも特例を使う | 必要 |
| 損益通算・繰越控除を行う | 必要 |
| 赤字で特例も使わない | 原則不要 |
確定申告のスケジュールと住民税の注意点
売却した翌年の2月16日〜3月15日が申告・所得税納付の期限です。2026年売却分の期限は2027年3月15日となります(期限が土日祝の場合は翌平日)。
住民税は所得税と納付時期が異なる点に注意が必要です。翌年6月以降に納付書が届く「普通徴収」か、給与から天引きされる「特別徴収」のいずれかとなります。所得税の納付後も住民税の支払いが控えているため、2段階での資金確保を意識した資金計画を立てておきましょう。
確定申告に必要な主な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 確定申告書(第三表・分離課税用) | 税務署・国税庁HPで入手可 |
| 譲渡所得の内訳書 | 税務署・国税庁HPで入手可 |
| 売買契約書(売却時・購入時の両方) | 取得費の証明に必要 |
| 仲介手数料等の領収書 | 譲渡費用の証明に必要 |
| 登記事項証明書 | 法務局で取得 |
| 特例使用時の追加書類 | 戸籍謄本・除票など(特例により異なる) |
スマートフォン・e-Taxで申告する方法
2026年の確定申告では、マイナンバーカードのスマートフォン読み取り機能を使うことで、カードリーダー不要で自宅から申告が完結します。e-Taxを利用する際は、通常の給与所得とは別に「分離課税」として申告する必要があるため、申告書の種類(第三表)を正しく選択することが重要です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って入力するだけで申告書が作成できます。土地売却特有の入力項目(譲渡所得の内訳・特例の選択など)は、譲渡所得の内訳書を手元に用意したうえで入力を進めると、手続きをスムーズに進められます。
申告しなかった場合のペナルティ
期限内に申告を行わなかった場合、以下のペナルティが発生します。
| ペナルティの種類 | 内容 |
|---|---|
| 無申告加算税 | 申告のタイミングや税務署の調査状況により異なり、最大30%が課される(調査前に自主申告した場合は軽減される) |
| 延滞税 | 納付期限の翌日から完納まで日割りで発生 |
| 特例の不適用 | 期限後申告では特例の適用可否や手続が複雑になる |
土地売却の税金でよくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンが残っている土地でも売却できる?税金はどうなる?
結論として、住宅ローンが残っていても土地の売却は可能です。ただし、税金の計算上、ローン残高は取得費に算入されません。譲渡所得はあくまで「売却価格-取得費-譲渡費用」で計算されるため、ローンが多く残っていても売却益が出れば課税される点に注意が必要です。
たとえばローン残高が1,000万円あっても、売却価格が取得費・譲渡費用を上回れば、その差額に対して税金が発生します。売却の可否・金融機関との手続きについては、別記事「はじめての土地売却、流れと不動産会社の選び方【埼玉・千葉版】」で詳しく解説しています。
Q. 夫婦共有名義(マイホーム)の土地を売るとき、税金や控除はどうなる?
共有名義の土地を売却した場合、税金は持分に応じて各自に課税されます。3,000万円特別控除は、それぞれが適用要件を満たせば各自が使えるため、夫婦2人で最大6,000万円の控除となります。
なお、兄弟・親族間の相続による共有名義の場合は、適用要件や手続きが異なるケースがあります。詳細は別記事「相続した土地を売るには何から始める?税金・名義変更・手順を完全解説」をご参照ください。
まとめ|正しい税金対策が「後悔しない土地売却」の分かれ道
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