注文住宅の決めることリスト【2024保存版】何から始める?やること・優先順位を解説

2024.4.20.

  • 注文住宅

注文住宅は、自分好みの理想の家を建てられる反面、施主が決めること・やることがたくさんあります。決めるのに時間がかかってしまうと、家の完成は遠のいていくばかりです。なかには途中で疲弊して、あきらめてしまう人もいるほどです。

 

そうならないためには、あらかじめどのような流れで、何を決めなければいけないのかを把握しておくことをおすすめします。

 

本記事では、注文住宅を建てる順番にあわせ、施主が「決めること」「やること」をリストで紹介し、考え方のコツやポイントをプロの視点で解説します。スムーズな家づくりに向け、ぜひお役立てください。

多くの人にとって家を建てるのは初めての経験になり、何から始めるのかわからないものです。まずは、注文住宅を建てる流れを把握しておきましょう。

このように、注文住宅の完成までには多くの手順をふむ必要があります。このうち施主として決めるべきこと・やるべきことが多いのは、主に次の6つです。
 

・建物・建築場所のイメージづくり

・予算の検討

・建築会社探し

・土地探し

・住宅ローン事前審査

・間取り・仕様打合せ

 

それぞれ具体的にどのようなことを決め、やらなければならないのか、リストにしてポイントとあわせて解説していきます。

 

まずは、どこに、どのような注文住宅を建てたいのか、家族で話し合い理想のイメージを固めていきます。具体的に決めること・やることは次のとおりです。


<決めること>

・理想の立地(エリア・路線・駅など)

・理想の土地条件(広さ・日当たりなど)

・理想の外観・内観デザイン

・希望の部屋数

・構造(木造・鉄骨造・RC造など)

・住宅性能(耐震性・省エネ性など)
 

<やること>

・インターネットやSNSで情報収集

・住宅展示場やモデルハウスを見に行く

・すでに家を建てた友人・知人に話を聞く

 

理想の家のイメージづくりでのポイントを解説します。

 

理想の家を考えるとき、つい予算のことが気になってしまうものです。「こうしたいけど、高いから諦めよう」と思わず、まずは予算を気にせずに希望をすべて挙げてみましょう。

 

予算内でできるだけ多くの希望を叶える方法を考えるのは、建築会社の仕事です。この点が建築会社を比較し、見極める重要なポイントにもなります。

 

理想の家の内観や外観イメージは、インターネットや雑誌などで情報を集め、「見える化」しておきましょう。そうすることで、施工会社とのイメージ共有がしやすくなります。

 

ただ、全ての希望を叶えることができるわけではないことを忘れてはいけません。作成したリストは、

・Must(絶対に欲しいもの)

・Want(あれば嬉しいもの)

に分類し、さらに優先順位をつけておくことで、建築会社との話し合いがスムーズに進められます。

 

理想の家をイメージできたら、大まかな予算も設定しておきましょう。予算を考える際に決めるべきこと、そして行うべきことは次の通りです。

 

<決めること>

・住宅購入にかけられる総予算

・頭金として準備できる金額

 

<やること>

・住宅ローンのシミュレーション

・親からの資金援助の有無の確認

 

具体的に考えるべきことを解説します。

 

まず、預貯金を洗い出して、土地と家に充てることができる「総予算」を考えましょう。家を建てる際に親から資金援助を受けることは珍しくないため、相談してみるのも良いでしょう。

 

この段階で土地と家に別々の予算を設定する必要はありません。実際には、土地と建物のコストの他にも、付帯工事費(外構やライフラインの敷設費、地盤改良費など)や諸経費(登録免許税や住宅ローンの手数料など)が発生します。

 

そのため、細かな内訳については、建築会社と相談しながら決定するのが現実的です。

 

住宅ローンでいくら借りられるのかを前提に予算を決めるのであれば、金融機関の公式サイトでシミュレーションしてみるのがおすすめです。

 

月々の支出可能額から借入れ可能額を逆算することで、計画が立てやすくなります。現在の家賃を月々の返済額として想定したり、年収を基に可能な借入額を見積もるなど、さまざまな条件を変えて試算を行うことを推奨します。

 

預貯金からどれだけの頭金を用意できるか、また親からの資金援助が見込めるかも考慮し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

 

理想の家のイメージとおおよその予算を把握できたら、いよいよ建築会社を探します。建築会社を探すときに、決めること・やることは次のとおりです。

 

<決めること>

・施工会社の種類(ハウスメーカー・工務店)

・家の構造(木造・鉄骨造・RC造など)

 

<やること>

・建築会社の調査と選定

・候補となる複数社に具体的な相談

 

よい建築会社を見つけられるかどうかが、注文住宅の成否を分けるといっても過言ではないので、慎重に進めましょう。建築会社選びで抑えておくべきポイントと注意点を解説します。

 

建築会社にはそれぞれ得意とする建築構造があり、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造に対応している会社は木造ほど多くはありません。そのため最初に構造を決めると、建築会社を絞り込みやすくなります。

 

また建築会社は大きくハウスメーカーと工務店に分類され、特徴が異なります。

 

ハウスメーカー

品質やアフターサービスの安心感がありますが、価格は高めに設定されることが多いです。

工務店

建物の自由度が高く、柔軟に対応してくれる一方で、会社によっては品質にばらつきが見られることがあります。

 

両者の特徴を把握し、自分たちのニーズに最も合った選択をすることが重要です。

 

注文住宅にはすべてを自分で決められる完全自由設計型と、ある程度決まったプランから選ぶ規格型があります。一般的に、完全自由設計型よりも、規格型のほうがコストを抑えやすくなります。

 

いずれの場合も、建築会社を選ぶときには、標準としている断熱性能や耐震等級、工法などを比較することが大切です。どのような点に力を入れているのか、実際にモデルハウスの見学に行き、解説してもらうとよいでしょう。

 

建築会社探しと並行し、土地探しも始めましょう。土地を探すときに決めること・やることは次のとおりです。

 

<決めること>

・住みたいエリア

・必要な土地の広さ・形状

・土地の購入先

 

<やること>

・土地の下見・選定

・土地の買付

 

土地は一点物で、しかも基本的には早いもの勝ちです。また土地選びに失敗すると、希望の家を建てられない可能性もあります。土地選びで知っておくべき具体的なポイントや注意点を解説します。

 

注文住宅の土地選びでは、子どもの将来の進学、自身のキャリア変更、さらには老後の生活など、多様な将来のシナリオを考慮することが求められます。

 

例えば、教育の機会が豊富な都心部を選ぶ家庭もありますが、子どもの学校生活は一時期のものです。リモートワークを想定して住む場所を選ぶ際には、将来的に出社が必要になった場合の通勤の便を考慮する必要があります。また、田舎でゆったりと暮らすことを望む場合でも、医療施設へのアクセスが困難であれば、年を取った際に不便を感じるかもしれません。

 

住むエリアを選ぶ際には、将来の自分たちのライフスタイルを基にして、どのような生活を送りたいのかをじっくりと考えることが重要です。

 

土地選びと建物の設計は、異なる業者に依頼するよりも、設計を担当する建築会社に一任する方が賢明です。

 

これは、建てたい家によって求められる土地の広さや形状が異なるためです。建築会社に土地の選定も依頼することで、「買った土地が理想の家には適していなかった」、「土地に費用をかけすぎて家の予算が減った」といった問題を防げます。

 

また、土地と建物の両方を同じ会社に依頼することで、連絡窓口が一箇所に集約されるため、複数の業者とのやり取りが不要になり、プロセスがスムーズに進行します。

 

もし自分で土地を見つけた場合も、希望のプランが成り立つか、建物の相談をしている会社の設計士に見てもらうのが無難です。

 

土地と建築会社の目星がついたら、住宅ローンの検討も始めます。住宅ローンを検討するときに、決めること・やることは次のとおりです。

 

<決めること>

・借入金額

・月々の返済額

・借り入れする金融機関

 

<やること>

・住宅ローン借入の候補となる金融機関の調査

・ローン年数、金利タイプなどの比較・検討

 

住宅ローンを検討するときのポイントと注意点を解説します。

 

返済負担率とは年収に占める住宅ローン返済額の比率を意味し、借入金額を決める際に重視される指標です。

 

金融機関はそれぞれ返済負担率の上限を定めていますが、30%以下、40%以下と、会社によって大きな差があることが特徴です。注文住宅では「できるだけ多く借りたい」と考えてしまいがちですが、MAXで借りると返済が厳しくなってしまいます。

 

住宅は生活を豊かにするための場所であるべきで、購入後も旅行などの余暇を楽しめるよう、適切な返済額を選ぶことが重要です。一般的には、年収の20〜30%以内での返済が推奨され、より安全を期すなら25%以下に抑えるとよいでしょう。

 

不安な場合は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのもおすすめです。

 

土地代金支払いの方法は大きく2つのパターンがあります。つなぎ融資を利用する方法と住宅ローンを実行する方法です。

 

つなぎ融資とは、住宅の引き渡しを受ける前に、一時的に利用できる融資のことです。住宅ローンは住宅に対する融資であるため、実際に家が引き渡されるタイミングで実行されます。そのため金融機関によっては、土地代金支払時や建物着工時金のタイミングで実行できない場合があります。自己資金があれば問題ありませんが、資金が不足する場合に役に立つのがつなぎ融資です。

 

ただし、つなぎ融資を行っている金融機関は限られています。住宅ローン・つなぎ融資については、建築会社へ相談してみることをおすすめします。

 

土地を購入し、施工を依頼する建築会社を決めたら、いよいよ間取りや仕様の詳細を具体的に決めていきます。

 

<決めること>

・間取り

・内装(壁紙や床材の素材・色など)

・外装(外壁・屋根材の素材・色など)

・設備(メーカー、色、グレードなど)

・外構(依頼先、デザインなど)

 

<やること>

・建物の請負契約

・住宅ローンの本審査・本契約

・間取り・仕様の打合せ

・設備のショールーム見学

 

注文住宅を建てるうえで、もっとも楽しく、そしてもっとも決めることが多い工程です。ここで失敗すると、ずっと後悔したまま気に入らない家で暮らしていくことになります。

 

そうならないために、抑えておくべきポイント・注意点を解説します。

 

まずは建築会社に、設計スケジュールを確認しましょう。建築士との打合せ回数は限られています。無駄なく打合せをするためにも、「いつまでに何をきめるのか」を把握して準備しておくことが大事です。

 

事前に建築士に伝えることを準備しておくことで、後から「これを伝えればよかった」「こうしておけばよかった」といった失敗を防げます。

 

予算がある以上、すべての希望をかなえることはできません。その際、優先すべきは「後からかえられない部分」です。

 

たとえば構造や耐震性など家の安全にかかわる部分、間取りや動線、断熱性、気密性など住み心地に直結する部分は、あとから変えるのは困難です。そのため設計士と何度も打合せをすることが大切です。

 

間取りについては、家族人数の変化に対応できるよう、可変性を高めておくのもおすすめです。

 

例えば、将来的に子どもの人数が増える可能性を考慮して、部屋を後で分割できるように、最初から2つのドアを設置するなどの工夫が有効です。また、可動式の間仕切りを設けることで、空間の使い方を柔軟に変更できます。

 

さらに、将来的に高齢になった際のことを考え、1階に水回りと少なくとも1つの個室を設けると、1階生活がしやすくなります。間取りを考える際には、これからの生活スタイルの変化に備えて、先を見越した設計が重要です。

 

外装や設備を決めるときには、メンテナンス性もチェックしておきましょう。

 

例えば、外装の塗装メンテナンスは高額になる傾向があります。耐久性に優れた外壁や屋根の材料を選択することで、メンテナンスの頻度を減らし、長期的にはコスト削減につながる可能性があります。

 

初期投資を高めに設定して将来の維持費を抑えるか、初期費用を抑えて将来的な維持費を受け入れるか、自身の希望に合った選択をしましょう。

 

注文住宅は、建物と土地それぞれで決めることが多く、迷っていると家が完成するまでに長い時間がかかってしまいます。注文住宅の土地探しから建築までをスムーズに進めるには、土地と建物についてまとめて相談できる会社に依頼するのが、もっとも効率的で、安心して進めやすい方法です。


注文住宅でお悩みの際は、「発見とちいえプラザ」にご相談ください。土地と建物の両方について、一人の担当者が一気通貫して対応いたします。ポラスの総合住宅展示場「体感すまいパーク」内に相談窓口をご用意しています。

 

SUPERVISOR

監修者

柳瀬 栄

柳瀬 栄 (やなせ さかえ)

宅地建物取引士 業界歴約30年の実績と 自身の不動産購入経験から 分かりやすい解説と定評がある。

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