古家付き土地とは|売り方3つと費用・税金・後悔しない売却の進め方まで

2026.7.23.

  • 不動産売却
「古家付き土地」は、資産価値がほとんど残っていない建物が建ったまま売り出される土地のこと。売り方は「古家付きのまま」「更地にして」「中古住宅として」の3つに大別され、どれが得かは築年数・立地・再建築の可否・税金などで変わります。
この記事では、売る前に確かめたい選択肢の全体像から、解体費用と固定資産税の関係、相続空き家の3,000万円特別控除、契約不適合責任や境界などのトラブル回避、そして相談先の見極め方までを順に解説します。

OPEN

まず押さえたいのは、古家付き土地が「更地」とも「中古住宅」とも違う、あいまいな状態だという点です。家を壊すべきか、残すべきか。いや、その前にそもそも売るのか——迷いの入口はいくつもあります。この章では言葉の意味を整理し、なぜ相続後にこの土地の扱いで悩む人が増えているのかを見ていきます。

古家付き土地とは、古い家が建ったままの土地のことです。建物の価値がほとんど残らず、値段が実質的に土地だけで決まる土地を慣用的にこう呼びます。広告では、土地(現況古家あり)と表記されることも。
法律上の定義はなく、築何年以上なら古家という線引きもありません。実務では、木造住宅の法定耐用年数22年(税務上、減価償却に使う年数)を参考に、20〜25年で建物価値をゼロとみなす査定が広く行われてきました。ただし国土交通省は、これを「他に根拠がないため参考にせざるを得ない」慣行と位置づけています。木造住宅の平均寿命を65年とする調査もあり、22年建てば必ず価値がゼロになるわけではありません。

同じ一区画でも、価値の重心を建物に置くか土地に置くかで、呼び方も売り方も変わってきます。更地は建物が何もない状態で、買主は購入後すぐ設計や着工へ進めます。中古住宅は建物に住める価値が残っており、価格にも建物分が上乗せされる売り方です。
これに対して古家付き土地は、価格の根拠がほぼ土地だけにある状態です。建物は「おまけ」というより、買主にとって解体という宿題が付いてくる形になるため、その分の値引き交渉が入りやすい傾向があります。

更地 古家付き土地 中古住宅
建物 なし あるが、価値はほぼゼロとして扱う 価値を認めて売る
値段の決まり方 土地の価格 ほぼ土地の価格 土地+建物の価格
売主の解体費 必要 不要 不要
主な買い手 家を建てたい人・不動産会社 建て替え前提の人・不動産会社 そのまま住みたい人・リフォーム前提の人
ご自身の物件が3つのどれに近いかは、建物の有無、そして建物がある場合は値段が付くかどうかで見分けられます。

背景にあるのは、空き家の増加と、遠方の実家を管理し続ける負担の重さです。総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年時点の空き家は約900万戸、住宅全体に占める割合は13.8%に達しました。なかでも、賃貸用でも別荘でもない、いわゆる放置されやすい空き家が増え続けています。
きっかけになりやすいのが、毎年届く固定資産税の納税通知書です。誰も住んでいない家に税金と管理の手間だけがかかり続け、庭木の越境や郵便物の滞留で近隣に気兼ねする場面も出てきます。遠方にお住まいなら、様子を見に行くだけで一日仕事、ということも少なくありません。結果的に、手放すことを決心するのは不思議なことではないのです。

売ると決めたら、次は売り方です。古家付き土地には大きく3つの売り方があり、どれを選ぶかで手元に残るお金も、売れるまでの時間も変わってきます。この章では、どのタイプが向いているかを見極める材料をそろえていきます。

建物を残したまま、土地として売り出す方法で、最大のメリットは解体費用がかからないことです。加えて、住宅が建つ土地は「住宅用地の特例」で固定資産税の課税標準が200㎡までの部分で6分の1になり、家を残しているあいだはこの軽減が続きます(管理を怠ると外れる場合あり。詳しくは【最重要】更地にすると固定資産税が上がる仕組みをご覧ください)。
一方で、買い手は限られやすい傾向があります。買主からすれば解体費は自分持ちになるため、その分を差し引いた価格でしか手が出せないからです。この売り方が向いているのは、解体費を先に負担したくない場合や、買主が建て替えを前提に土地を探しているエリアの物件です。

建物を壊し、まっさらな土地にしてから売り出す方法です。強みは買い手の広さで、土地を見に来た人が「ここに家を建てたら」と思い描きやすく、建物の状態を気にせず土地そのものを評価できるぶん、売却が進みやすい傾向があります。
ただし代償もあります。売れる前に数百万円規模の解体費を負担し、家を壊すと住宅用地の特例が外れて、売れ残るあいだも上がった固定資産税を払い続けることに。しかも元には戻せません。建て替えができない土地(再建築不可)だった場合、更地にした瞬間に家を建てられない土地になってしまいます。

建物にも値段をつけて、住まいとして売る方法です。この選択肢が取れるかどうかは建物の状態しだいで、雨漏りやシロアリの被害がなく水回りも使えるなら、リフォームを前提とした買主に届く可能性があります。古家付き土地との線引きに明確な基準はありませんが、目安になるのは、そのまま人が住める状態かどうかです。
注意点は、建物に値段をつけて売る以上、建物についての責任も負うことです。後から雨漏りが見つかれば、売主が責任を問われる場合があります(契約不適合責任。詳しくはトラブル①:契約不適合責任と「免責」の扱いをご覧ください)。

ここまでの3つを、一覧で比べてみましょう。

古家付きのまま 解体して更地に 中古住宅として
売主の解体費 かからない かかる(150万〜300万円程度が目安) かからない
固定資産税 軽減が続きやすい 特例が外れて上がる 軽減が続きやすい
売れやすさ 買い手が限られやすい 広がりやすい 建物の状態しだい
価格 解体費の分が意識されやすい 土地の価格 土地+建物
建物の責任 免責の特約をつける場合が多い 建物がないので問題になりにくい 責任を負う場面がある
向いている物件 建て替え前提で売れるエリア 早期に売れる見込みがあるエリア まだ住める状態の建物

これらはあくまで一般的な傾向で、実際にどれが有利かは物件の条件によって変わります。次の5つの確認項目で、ご自身のケースを整理してみてください。

売り方を決めるときには、次の5点を確かめておきましょう。

・築年数と建物の状態:雨漏り・シロアリ・傾きの有無
・立地:土地を探す人が多いエリアなら、更地にする意味が出やすい
・再建築ができるか:幅4m以上の道路に2m以上接していないと、原則建て替え不可(接道義務)
・境界がはっきりしているか:越境物はないか
・家族の合意:他の相続人の意向と、名義の確認

この5つは「売り方を選ぶための棚卸し」です。売り出す直前の実務的なチェックは、トラブル回避の章で改めて一覧にします。

売り方の見当がついたら、次はお金の話です。判断を大きく分けるのが、費用と税金です。ここを外すと、手元に残る金額が大きく変わります。金額はいずれも目安であり、条件によって上下する点を前提にお読みください。

木造住宅の場合、坪5万〜8万円程度が一つの目安です。一般的な30〜40坪の戸建てなら、およそ150万〜300万円。幅があるのは、前面道路の広さや隣家との距離(重機が入れないと手作業になり人件費がかさむ)、建物の大きさ、ブロック塀や庭木の付帯工事、残置物の量などで動くためです。
見積もりの段階では見えない費用もあります。古い基礎や浄化槽などの地中埋設物は掘るまでわからず、当初の見積もりには含まれていません。事前の調査でアスベストが見つかれば、特別な工事が必要になることも。複数の会社から見積もりを取り、追加費用が出る条件まで確認しておきたいところです。

家が建っている土地には、「住宅用地の特例」という軽減措置があります。

区分 面積 固定資産税の課税標準
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 価格の6分の1
一般住宅用地 200㎡を超える部分 価格の3分の1

更地にすると、この軽減が受けられません。「最大6倍」とよくいわれるのは、6分の1だった課税標準が元に戻ることに由来します。ただし税額が急に上がらないようにする「負担調整措置」があり、実際の負担は6倍を下回る場合もあります。なお固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まるので、年内に解体すると翌年度から上がります。
逆のこともあります。2023年12月に施行された改正空家法で、放置すると危険になりそうな空き家を「管理不全空家等」として市区町村が指導・勧告できるようになりました。勧告を受けるとその土地も特例が解除され、税負担が増えます。「解体する」にも「残す」にも税のリスクがある、ということです。

売って利益が出た場合には、譲渡所得税がかかります。ただし相続した実家には大きな控除があります。「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、いわゆる相続空き家の3,000万円特別控除の特例です。ただし要件が厳しく、誰でも使えるわけではありません。
・昭和56年5月31日以前に建てられた家であること(いわゆる旧耐震の建物)
・マンションなどの区分所有建物でないこと
・相続の開始直前に、亡くなった方以外に住んでいた人がいなかったこと(老人ホームへの入所などでも、一定の条件を満たせば対象になります)
・相続から売却まで、ずっと空き家だったこと(賃貸に出していないこと)
・売却代金が1億円以下であること
・耐震リフォームをするか、家を取り壊して売ること(売った日の属する年の翌年2月15日までに行われる場合も対象。令和6年1月1日以後の売却に限る)
・相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
・2027年(令和9年)12月31日までの売却であること

古家付き土地を相続した人が3人以上なら控除の上限は一人あたり2,000万円に。手続きでは、市区町村から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けて確定申告します。
なお、亡くなった方と同居していたなど、ご自身が住んでいた家を売る場合は別の制度(居住用財産の3,000万円特別控除)の対象になることも。他にも要件がひとつでも欠けると使えないため、売る前に税理士や税務署へ確認することをおすすめします。
参考:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

解体費と税金のほかにも、売却には費用がかかります。仲介手数料は、不動産会社に仲介してもらう場合の報酬で、宅地建物取引業法で上限が定められています。境界がはっきりしていない場合は測量費用が、相続した実家なら相続登記の費用が必要です。住宅ローンが残っていれば抵当権の抹消手続きも。売買契約書には、契約金額に応じた印紙税がかかります。
とくに測量は、必要になると数十万円単位の出費になることも。査定の段階で「うちの場合、何がいくら必要ですか」と確認しておくと、資金計画の精度が上がります。

ここまで内容を踏まえ、「解体すべきか、残すべきか」の判断軸を整理します。

解体して更地にするほうが向いているケース 古家付きのまま売るほうが向いているケース

・建物の傷みが激しく、そのままでは買主が不安を感じる

・土地を探す人が多く、早く売れる見込みが立つエリア

・更地にしても再建築ができると確認できている

・解体費を先に負担できる資金の余裕がある

・解体費を先に出す余裕がない

・再建築ができない

・売れるまでに時間がかかりそうで、税の上昇を避けたい

・買主が建て替え前提で探しており、古家の影響が小さい

ポイントは、「解体費」と「売れるまでの期間」を天秤にかけることです。すぐ売れるなら解体の効果は出やすく、時間がかかりそうなら古家を残したほうが負担は小さくなります。ただし解体は後からでもできますが、壊した家は戻せない点は十分理解が必要です。

売り方の方向が見えてきたら、次はリスクの確認です。古家付き土地の売却でつまずくポイントは、だいたい決まっています。型を知っておけば、事前に手を打てるもの。代表的な5つのトラブルと、その回避策を見ていきます。

引き渡した後に、雨漏りしていた、シロアリがいた、と言われたら——。売った物件が契約の内容に合っていなかった場合、売主は責任を負います。これが「契約不適合責任」で、2020年4月の民法改正で瑕疵担保責任が整理されたものです。買主は追完請求、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求めることができます。
古い家では、売主自身も不具合を把握しきれないのが実情です。そこで実務上は、「建物については契約不適合責任を負わない」という特約(免責)がよく使われます。ただし売主が知りながら伝えなかった不具合は、特約があっても責任を問われうるため、雨漏りの跡も過去の修繕も、契約前に書面で伝えておくことが大切です。不利に思える情報ほど先に出しておくほうが、結果的に自分を守ることにつながります。

うちの土地はここまで——その線が、実ははっきりしていない土地は少なくありません。境界が未確定だと買主は安心して買えず、売買の直前に確定してから引き渡してほしいと言われ、確定測量に数十万円と数か月かかる展開もよくあります。木の枝やブロック塀が隣地にはみ出す越境も、同じように問題になります。
回避策は、早めの確認です。確定測量図が残っていないか書類を探し、境界標(土地の角にある杭やプレート)が現地にあるかを見に行き、隣地との間にはみ出しているものがないかも確かめましょう。相続した実家では書類の場所がわからないことも多く、早い段階で探しておくと後の段取りが楽になります。

古家付き土地でもっとも影響の大きいトラブルかもしれません。建築基準法では、原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければ建物を建てられないと定められています(接道義務)。満たさない土地では、今の家を壊しても新しい家を建てられません。これが再建築不可と呼ばれる状態です。
問題になりやすいのは、解体してから気づくケースです。家を壊した瞬間に建物が建てられない土地になり、買い手は大きく限られます。市区町村の建築指導課などの窓口で確認する、不動産会社に調査を依頼するなど、解体の前に確かめておきたいところです。なお再建築不可でも、隣地の方に買ってもらう、リフォーム前提で売るといった方法もあります。その場合は解体しないほうが賢明です。
関連記事:再建築不可物件とは?建て替えできない理由と、相続した家を「活かす・手放す」方法をやさしく解説

「更地にして引き渡す」という条件で契約したものの、どこまで解体するのかで揉める——これもよくあるトラブルです。建物は壊したがブロック塀と庭木が残っている、基礎が地中に残ったままだったなど、解体の範囲は、当たり前に決まっているわけではありません。
回避策は、契約前に書面で決めておくことです。誰が費用を負担するのか、どこまで撤去するのか(塀・庭木・物置・カーポート・浄化槽・基礎など)、残置物の扱い、そして地中埋設物が出てきたときの追加費用は誰が持つのか。とくに最後は金額が読めないだけに、事前の取り決めが効いてきます。

とりあえず相場だけ知りたいと一括査定に申し込んだら、翌日から電話が鳴り止まなくなった——。そんな経験をする方も少なくありません。一括査定は入力情報が複数社へ同時に届く仕組みで、各社とも他社より早く連絡したほうが話を進めやすいため、届いた瞬間に電話がかかってきます。断り方が下手だったわけではないのです。
もうひとつ戸惑うのが、査定額のバラつきです。査定額は、その会社が想定する売り方やエリアの扱い量で変わります。加えて、まず自社に任せてもらおうと高めの金額を示す会社もあり、高い査定額がそのまま売れる金額とは限りません。だからこそ見ておきたいのは、金額の大きさではなく根拠です。近くの成約事例をもとにしているか、その金額で売れなかったとき次にどうするのか——具体的に答えられるかどうかが判断材料になります。

売り出す前に、ご自身で確認できることをまとめました。まずは、ひとつずつ確かめてみてください。

項目 チェック内容
権利・名義 ・相続登記は済んでいるか
・他に相続人はいないか
・権利証(登記識別情報)の場所はわかるか
土地 ・確定測量図はあるか
・境界標は現地にあるか
・越境はないか
・前面道路の幅は4m以上あり、2m以上接しているか
建物 ・雨漏り・シロアリ・傾きはないか
・建築年は昭和56年5月31日以前か
・増築部分は登記されているか
・アスベストの可能性はあるか
契約の条件 ・建物の契約不適合責任は免責にするか
・解体の範囲と費用負担を決めたか
・残置物は誰が片づけるか
・相続空き家の3,000万円特別控除の要件に当てはまるか
・売却の期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日)は過ぎていないか
 わからない項目はそのままで、どこが「わからない」のかを伝えられれば問題はありません。

ここまでで、判断の材料はそろいました。この章では、実際に売ると決めた後の段取りを見ていきます。何を、いつ準備すればよいのか。全体像がわかると、動き出しやすくなります。

相続した実家を売るときの流れは、おおむね次のようになります。

ステップ 期間の目安 ここでのポイント
1. 相続人の確定と遺産分割協議 1〜3か月程度 誰が相続するかを決める。きょうだいがいる場合、最初の関門になることも
2. 相続登記 1〜2か月程度 名義を相続人に移す。2024年4月から義務化(後述)
3. 査定・相談 数日〜2週間程度 価格の見込みと、売り方の方針を決める
4. 媒介契約 売却を依頼する不動産会社を決め、契約を結ぶ
5. 売却活動 1〜6か月程度(長期化する場合も) 広告を出し、買主を探す。古家付き土地は期間が読みにくい
6. 売買契約 解体の範囲や免責の特約も、ここで確定する
7. 引き渡し・決済 契約から1〜2か月程度 更地で引き渡す条件なら、この前に解体工事を終えておく
8. 確定申告 売った翌年の2月16日〜3月15日 特別控除を使う場合は、必ず申告が必要
相続の発生から現金化まで、半年から1年程度が一つの目安です。ただし期間は、物件と家族の事情で大きく変わります。とくに1と5は読みにくいところです。

売却を進めるうえで必要になる、主な書類です。

区分 必要書類 入手先
物件について 登記事項証明書/公図・測量図 法務局
権利証または登記識別情報/建築確認済証・検査済証・境界確認書 手元の書類
固定資産税の納税通知書 毎年届く通知
相続について 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本/相続人全員の戸籍謄本・住民票 本籍地・住所地の市区町村
遺産分割協議書/印鑑証明書 相続人で作成/市区町村
税の特例を使う場合 被相続人居住用家屋等確認書 物件所在地の市区町村
売買契約書の写し/解体・耐震リフォームの費用がわかる書類 手元の書類
古い家では、権利証や測量図が見つからないこともあります。ないとわかった時点で対応の方法はあるので、早めに探して、なければ相談する。この順番が、手続きを止めないコツです。

実家の売却でいちばん時間がかかるのは、手続きではなく家族の合意かもしれません。「思い出のある家を手放したくない」という人がいれば、「管理が大変だから早く現金化したい」という人もいて、どちらの気持ちも本物です。正しさの問題ではないぶん、話し合いは長引きやすくなります。
進めやすくするには、「感情」ではなく「事実」から入るのが有効です。今の固定資産税は年間いくらか、管理に誰がどれだけ時間とお金を使っているか、売ればいくらか、解体すればいくらか、使える特例と期限はどうか。数字を並べると、「どうしたいか」の議論が「どうするのが現実的か」に変わります。「査定を受けることは、売ると決めることではない」と添えれば、残したい気持ちの人にも受け入れられやすくなるでしょう。

最後は、誰に相談するかという話です。同じ物件でも、相談先によって進み方も納得感も変わります。相談は、相手を選ぶ場でもあります。見極めの視点を整理しました。

この言葉自体が悪いわけではなく、制度の期限や市況を踏まえてそう言える場面もあります。問題は、根拠が示されないまま急かされるときです。見極めのポイントは、なぜそう言えるのかを説明できるかどうかです。どんなデータをもとにしているのか、ご自身の物件のどの条件からそう判断したのか、逆に待った場合はどうなると考えているのか。
具体的に答えられる相手なら、その判断は検討に値します。「とにかく今です」としか返ってこないなら、いったん距離を置いてよいでしょう。良い相談相手はデメリットも先に話します。解体費、税金、時間——都合の悪い情報を先に出す相手は、信頼できる可能性が高いといえます。

相談前に自分にとっての優先順位を決めておくだけで、話がぶれなくなります。多少安くなっても早く手放したいのか、時間はかかってもできるだけ高く売りたいのか、それとも家族と揉めずに進めることを何より大事にしたいのか。大きく分けると、この3つになります。
この3つは、同時にすべてを叶えるのが難しいものばかりです。早く売ろうとすれば価格は抑えめになり、高く売ろうとすれば時間がかかります。優先順位があれば「この提案は、一番大事にしていることに合っているか」という物差しができ、判断が速くなります。営業トークに流されるかどうかは、話し方のうまさではなく、自分の軸があるかどうかで左右されます。

では、実際にどう相談すればよいのか。振り回されないための手順は、次のとおりです。

  1. 1. 連絡手段を自分で決める:電話が苦手なら「メールでお願いします」と最初に伝える
  2. 2. 相談する社数を絞る:まずは1〜2社に。話を聞いてから広げるほうが比べやすい
  3. 3. 査定の根拠を必ず尋ねる:答えの具体性が、その会社を測る物差しになる
  4. 4. 「まだ売ると決めていない」と最初に伝える:判断材料をくれる相談になりやすい

そもそも情報が一斉に渡る一括査定を使わない、という選択もあります。個別に相談できる窓口を選べば、電話が殺到すること自体を避けられます。
たとえばポラテックでは、古家付き土地の売却を個別にご相談いただけます。「うちはどの売り方が向いているのか」「解体は必要なのか」を一緒に整理するところから始められます。

\まずは無料査定から始めてみませんか?/

WEBで無料査定


最後に、古家付き土地の売却でよく寄せられる疑問にお答えしていきます。

売れる可能性は十分あります。実際、古家付き土地として売り出される物件は数多くあり、建て替えを前提とした買主や不動産会社が購入しています。ただし、売れやすさを大きく左右するのが立地です。境界をはっきりさせる、再建築の可否を確認する、建物の状態を正直に開示する——買主が不安に思う要素を減らしておくことが、遠回りのようで近道です。

更地に比べると、価格が下がりやすい傾向はあります。買主が解体費用を負担する前提になりやすいためです。ただし下げ幅は物件によって大きく違い、一概に「何割下がる」とは言えません。比べるなら「売値の差」より、「最終的に手元に残る金額」です。更地にすれば高く売れる可能性はありますが、解体費と売れない場合の固定資産税の上昇を引き受けることになります。

常に更地が正解とは限りません。解体費を先に負担し、固定資産税の軽減も外れる以上、それを上回るだけ高く・早く売れる見込みがあるかどうかが分かれ目です。判断軸は【ケース別の結論】解体向き/古家付き向きの分かれ目をご覧ください。

売買そのものが禁じられているわけではないため、売ること自体は可能です。ただし建て替えができない以上、買い手は限られやすく、価格にも影響します。売り先としては、隣地の所有者やリフォームして使いたい買主など。ここで効いてくるのが、解体しないという判断です。今の家は多くの場合そのまま使えますが、壊すと新しい家は原則として建てられません。

所有権を買主に移す前提として、まず名義を相続人に移す相続登記が通常必要です。亡くなった方の名義のままでは、売買の手続きを進められないためです。2024年4月から相続登記は義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が必要になりました。正当な理由なく怠ると過料の対象で、過去の相続にも適用されます。

古家付き土地は、「建物が古い=価値のない負担」と受け取られがちです。けれども売り方は、古家付きのまま・更地にして・中古住宅としての3つがあり、どれが合うかは築年数や立地、再建築の可否によって変わります。解体すれば固定資産税は上がり、残せば管理の手間が続く。どちらにも損得があるからこそ、比べる価値があるのです。
大切なのは、費用と税金の見通しを立て、境界や接道といったつまずきの芽を先に摘み、急かさずに向き合ってくれる相談先を選ぶこと。放置だけは避け、一つずつ整理していけば、相続した実家にも納得のいく出口が見つかります。ポラテックの「発見とちいえプラザ」では、「うちはどの売り方が向いているのか」から一緒に考えます。まずは気軽にご相談ください。

▶ WEBで無料査定を依頼する → https://tochiie.polus-tec.jp/form_assessment02
▶ お近くの店舗でご相談・来場予約 → https://tochiie.polus-tec.jp/office

SUPERVISOR

監修者

ポラテックグループ
page top